泣く男を見た私

 
大泣きしている男性に出会った。
 
 
とても印象的な記憶。
 
 
たくさんの人が行き交うがロンドンの街でのことだ。
彼は、床に座り込んで子どもみたいに
声をあげて泣いてた。
 
 
泣いてる人は見かけるが、ここまで周りに
構わず、街のど真ん中で泣いている人は、
初めて見た。
 
私には、この時とても驚いたことがあった。
たくさんの人が行き交うが、誰一人として
男性に声を掛けなかった。
 
 
まるで、その人がいないかのように。
 
すごく悲しくなった。
 
でも、気づけば私もその中のひとりになってた。
勇気がなかった。
周りの人にどう思われるか、
その男性がどんな反応をするのか。
怖かった。
だから通りすぎた。
 
 
でも、やっぱり放っておけなくて、
道を引き返した時には、
もう男性はいなかった。
 
 
 
今もすごく気になっている。
 
「あの人は、あの後どうしたんだろう。」
「今は前を向けているか。」
「どうして泣いてたのか。」
 
 
気になるくらいなら、何でも良いから
勇気を出せばよかった。
何か助けになれたかもしれない。
 
自分がこんなにも周りの目や、
相手がどう反応するかを気にしているか。
そして、それによって知らず知らずのうちに、
たくさんのことを逃しているのではないかと。
 
 
そして、あの道を歩いていた人の中にも、
こういった人がいたはずだ。
 
 
 
こんな時、赤の他人であっても
手を差し伸べられる人がたくさんいたら。
何人の人が、前を向けるだろう。
自殺する人は減るだろう。
そうやって助けてもらった人が、
また誰かを助けて…
とてもステキな世界になるはず。
 
 
 
私は、一歩を踏み出せなかった。
こんな皮を破って、次は周りなんか気にせずに。
誰かの役に立ちたい。
 
「綺麗ごとかよ」
って思うかもしれないけど、
私は19年っていう短い時間しか
生きてないけど、たくさんの人の温かさに
何度も助けられてる、
もちろん赤の他人も含めて。
その人たちに直接恩返しができなかったとしても、
その優しさを電線させることは、できるから。
 
 
 
 
 
 
 
 
END
 
 
 
 


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