Memo

 綺麗な景色や、
美味しいカフェやレストラン、
どこか行く度に
その時々で写真を撮りがちだった私が、
その時だけは、
珍しく写真を撮ることが少なかったし、
まず一緒にいる時に、
スマホを出す時間が減ってた。
その瞬間が幸せで、
写真を撮る時間さえ惜しかった。
インスタに何かを投稿する
必要性も感じなかった。
そんなことより、夢中で楽しんでたから。
だから、見返しても写真は少ない。
別に何かしてる訳でもないのに、
勝手に幸せだった。
人といるのに、
信じられないくらい自分は自然体だった。
無言だとしても、
「話さなくちゃ」とか「気まずい」とか、
そんな事を一切感じなかった。
それにそれが心地良いとさえ感じてた。
綺麗なものを綺麗と言えたし、
嬉しい時は嬉しいって言えたし、
その日が楽しかったことを楽しいと
素直に言えた。
誰も聞いてこないようなことを
質問される。
でも、私はそういう話をするのが
好きだったし、
それを話すこと嫌だと思わなかった。
上っ面な話だけじゃなくて、
それ以上に私の内面や考えをちゃんと
見てる内容が多かった。
写真に残してようが、
残してなかろうが、
その瞬間があったことは覚えていても、
その時の聴いてた曲だとか、
話してた内容だとか、景色だとかを
いくら覚えておきたくても、
ひとつひとつ細かいことが、
少しずつ頭の記憶から消えていって、
どんどん思い出せなくなってくる。
それでも、その出来事があったことは、
いくら忘れたくても忘れられない。
戻りたいと思っても戻れない。
いつもなら、絶対嫌だと思ってたことも
嫌だと思わなかった。
今まで感じたことない気持ちを感じたし、
いろんな感情になったし、
こんなに自分の気持ちが
わからなかったことはなかった。



END











コメント

人気の投稿